2016年12月13日

「観光立国の正体」を読んで

会社の読書感想文の担当になりましたので感想文を掲載します。

「観光立国の正体」 著者 藻谷浩介/山田桂一郎

 藻谷氏が数年前に出版しベストセラーとなった「デフレの正体」は、〝生産年齢の減少に原因がある“ということだったが、今回の「観光立国の正体」は、“地元のボスキャラに原因がある”という痛烈な批判をされていて面白かった。地元のボスキャラとは、寂れた観光地に君臨するエライ人のことを言っているが、新しいものを排除して旧態依然の体質を守る場所には、必ず存在する生き物である。

 このように本書は、日本の観光についての課題や問題点について厳しい指摘をしながら、真の観光立国にするためのヒントを、藻谷氏とスイス在住の観光カリスマ山田桂一郎氏によりまとめられたものである。

 山田氏は自分たちのライフスタイルがそのまま観光資源になるような「異日常」的な地域づくりが必要であると言っている。そして、物理的なキャパシティの中で売上と利益を伸ばすためには、客単価を引き上げることが条件になるため「時間消費」を促すことが大切であると。そして、そのためにはハイエンドの富裕層・知識層のお客様を積極的に取り込むことで、トップエンドを引き上げ市場全体へのシャワー効果を高め、頂上から裾のまで大きく広がるピラミッド型のマーケット形成を目指すことが市場拡大の最善策であると言っている。

 私も観光地での商品開発では、如何に高く売れる商品を作るかをテーマに取り組んでいるため、大いに共感するところであった。そして何より、日本の観光の問題点として「マーケティングの思想が欠けていること」という指摘である。

 今や国内旅行者だけでなく訪日外国人旅行者に向けても魅力ある商品・サービスを提供していく時代になっているため、マーケットインの視点をもつマーケティングの重要性はさらに高まってくると予想される。その意味では私自身の果たす役割は重く、地元のボスキャラに屈することなく、マーケティングを通して地域で希望をもって頑張る人をサポートしていくことが必要であると思った。



Posted by 増販増客 at 12:00│Comments(0)徒然
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